昭和から続くこのバッティングセンターには、数字や設備だけでは語れない魅力があります。
野球を本気で追いかけた人の記憶、子どもを見守り続けてきた大人の想い、そして今も変わらず人が集う理由。
家族で訪れた取材を通して見えてきた、この街ならではの温かさをお伝えします。
昭和53年から、街の時間とともに歩んできた場所

この街には、昭和53年から長年愛され続けているバッティングセンターがあります。
単なる娯楽施設ではなく、子どもから大人まで、そしてプロ野球選手を目指す若者まで、多くの人の人生に関わってきた街の拠点のような場所です。
レジャー感覚でふらっと訪れる人もいれば、本気で野球と向き合う学生もいる。
年齢やレベルに関係なく、それぞれの目的でバットを握れる懐の深さが、この場所の大きな魅力です。
「子どもの頃に通っていた場所に、大人になってまた来る」。
そんな声も珍しくなく、世代を超えて思い出が積み重なっています。
時代が変わっても、地域の人にとって変わらずそこにある場所であり続けていること自体が、このバッティングセンターの価値なのだと感じます。
子どもを信じて見守る、オーナーさんの変わらない想い

長年この場所を守ってきたオーナーさんの言葉は、とても一貫しています。
特に印象的だったのが、子どもたちへの向き合い方です。
「小学生のうちは、とにかく野球を楽しむことが一番大事です」。
怒られる環境よりも、見守られる環境の方が、結果的に子どもは大きく成長する。
勝つことだけを目的にしない、その姿勢は、この場所全体の空気感にもあらわれています。
さらに、こんな言葉もありました。
「スポーツは、負けてなんぼ。そこからどう立ち上がるかが、その子の力になります」。
長年、多くの子どもたちを見続けてきたからこそ出てくる言葉。
野球の技術だけでなく、人としての成長を大切にしている場所なのだと強く感じました。
プロも甲子園球児も育った、この場所の記憶

このバッティングセンターには、数えきれないほどの物語があります。
実際に、プロ野球選手になった人や、甲子園を目指した選手たちも通っていたとのこと。
学生時代、「関東で一番のスラッガー」と呼ばれ、名門高校へ進学した選手もその一人です。
彼は、週に3〜4回、このバッティングセンターに通い続けていたそうです。
プロに進んだ選手について、オーナーさんはこう話してくれました。
「親子で、きちんと熱意を持って取り組んでいた印象があります」。
一方で、こんな言葉も添えられました。
「親がうるさすぎない子の方が、野球は伸びるんです」。
技術だけでなく、家庭や環境も含めて、人は育っていく。
この場所が“育成の現場”と呼ばれる理由が、そこにありました。
初心者から本気の選手まで応える、充実した設備

平成18年には、大規模なリニューアルが行われました。
スピードの速いマシンを導入し、左打ち用の打席も3打席に増設。
天井も高く設計され、打球が上に伸びたときの開放感は格別です。
現在はトータル10打席。
球速は80キロから147キロまで用意されており、初心者から上級者まで幅広く対応しています。

料金は1回300円で25球ほど。
「久しぶりにバットを振る」という人でも、自分に合ったレベルから無理なく楽しめる環境が整っています。
学びと実践がつながる、教室との取り組み

このバッティングセンターは、ただ打つだけの場所ではありません。
バッティング教室とも提携しており、月・水・木の17:00〜21:00には指導者が常駐しているそうです。
バッティングだけでなくピッチング練習まで行われることもあるとのこと。
基礎を大切にしながら、実践的な練習ができる環境が整っています。
子どもたちにとっては、日常の延長線上で自然に成長できる場所。
保護者にとっても、安心して通わせられる環境だと感じました。
10年ぶりにバットを握って感じた、素直な楽しさ

私自身、ソフトボール歴は6年ありますが、バットを振るのは約10年ぶり。
正直なところ、不安の方が大きかったです。
そこで挑戦したのが、100キロの球。
すると思っていた以上に、ちゃんと当たった。
「案外、打てるかも」。
そんな感覚があり、オーナーさんにも褒めていただき、すっかり自信満々で帰宅しました。
ホームランバーまであと少し、という打球もありましたが、惜しくも届かず。
それでも、ネットが高く、上に伸びる打球の爽快感は本当に格別。
無心でバットを振る時間は、大人にとっても最高のリフレッシュだと感じました。
家族連れにもやさしい、オーナーさんのあたたかさ

今回の取材は、子ども2人を連れて家族で訪れました。
すると、3歳の息子が楽しめるようにと、オーナーさんがTバッティングを用意してくださったり、ボールをかごに集めてトスで遊べるよう工夫してくれたりと、たくさんの気遣いをしてくださいました。
月曜日の朝いちで、お客さんが少なかったという条件はありますが、それ以上に印象に残ったのは、オーナーさんのやさしさと人柄です。
形式的なサービスではなく、「楽しんでほしい」という気持ちが自然に伝わってきて、心にじんわりと沁みました。
おかげで、息子も最後まで笑顔。
この場所が長年、地域に愛され続けてきた理由を、家族で体感できた時間でした。
この街に「住み続けたい」と思わせてくれる理由

このバッティングセンターには、勝ち負けだけでは測れない価値があります。
挑戦すること、失敗すること、楽しむこと、そして見守られること。
そんな経験を、日常の中で自然に積み重ねられる場所が、街の中にある。
それは、子育て世代にとっても、長く暮らす上での大きな魅力です。
野球を通して人が育ち、思い出が積み重なっていく。
この街に「住み続けたい」「暮らしてみたい」と思わせてくれる理由が、ここには確かにありました。
ノヴァバッティングスタジアム
住所:神奈川県横浜市港南区野庭町695
アクセス:横浜市営地下鉄ブルーライン「上永谷駅」から徒歩約12分
TEL:045-844-8199
営業時間:平日 10:00-22:00
土日祝 9:00-22:00
定休日:火曜日定休(祝日は営業)
駐車場:あり(約20台)













