今回ご紹介するのは、保土ヶ谷区にある、たちばなの丘公園です。ホタルも見られる自然豊かなこちらの公園。実は火薬工場の跡地でもあり、その歴史に触れられる貴重な場所なんです。

自然遊びや、散歩にぴったりの場所
たちばなの丘公園は、相鉄本線の上星川駅から徒歩で約25分の場所にあります。登り坂が多いため、徒歩での移動が難しい方は、相鉄本線の星川駅から公園の近くまでバスを利用することもできます。
まず、公園に入ってすぐのところにはわかりやすいトイレがあります。いつもきれいに整備されていて、子連れにもうれしいポイントです。

たちばなの丘公園には、遊具は一つもありません。ですが、我が家の6歳の息子はこの公園が大好きなので、よく訪れています。この公園で見られる豊かな自然、生き物が、息子の心を鷲掴みにしているようです。

公園の中央には芝生広場があり、その周りを散策路が囲むようにできています。散策路は整備されており、公園の周りをぐるっと歩きながらたくさんの自然を楽しむことができます。
散策路の回り方はいくつかパターンがあり、「今日はこっちに行ってみよう」とその日の気分で道を変えることができて、毎回冒険にきているようです。

涼しげな竹林や、春の桜、秋のイチョウもきれいで、いつ訪れても四季折々の自然が出迎えてくれる場所。
保土ヶ谷区の木「ハナモモ」も植えられており、とてもかわいい花を咲かせます。

生き物がたくさん!ホタルにも出会える
こちらの公園には小さな小川が流れており、初夏にはホタルを見ることもできます。その他にも、たくさんの生き物に出会いました。
カブトムシやクワガタ、シマヘビやリスなど、生き物好きの子どもにとってはまさに宝の山。

見たことのないような虫や、植物に出会うことも多いので「この虫は何っていう名前?」「この木になっている実は何?」と、息子の興味がどんどん広がっていきます。家に帰って、図鑑で名前を調べるのも楽しみのひとつ。
親子で自然観察を楽しむにはうってつけのフィールドです。
トンネルが8つ?!“火薬工場”の面影
この公園にはもうひとつ、他ではなかなか見られない魅力的な場所があります。それは、歴史を感じられる遺構が残っていること。自然の中を歩いていると、突然レンガ造りのトンネルがいくつも現れ、思わず足を止めてしまいます。

実はこの場所、かつて昭和の時代に日本カーリット株式会社の火薬工場があった跡地なんです。
園内に残るトンネルは、安全に火薬を作るために土で囲まれた土塁(どるい)という壁の出入口として使われていました。
現在も8本のトンネルが残されており、火薬の運搬に使われていたトロッコのレール跡が見られる場所もあります。

各トンネルには説明パネルが設置されており、それぞれのトンネルの先にかつてどのような作業をする場所があったのかを知ることができます。

火薬工場は平成7年に閉鎖されましたが、太平洋戦争や戦後の経済発展を支えていたことが、園内の説明パネルからよくわかります。当時、このトンネルの先にはどんな景色が広がっていたのだろうか、思わずそんな想像をしながら歩いてしまいます。
子どもも不思議なトンネルに興味津々。親子で一緒に社会科見学をしているかのような、学びのある場所です。

公園でのうれしい出会いや触れ合い
この公園は景色が良くトレーニングにも最適で、散歩をしている年配の方もよくいらっしゃいます。息子と自然遊びを楽しんでいると、いつも優しく声をかけてくれる方も。いつの間にか顔見知りになり、会うたびに息子に自然のことを教えてくれたりと、貴重な出会いもたくさんあります。

木々に囲まれたこの公園には、ブランコもすべり台もありません。ですが、自然と歴史が最高の遊びや学びを与えてくれます。ぜひ近くに来た際は、たちばなの丘公園に立ち寄ってみてくださいね。きっと新しい発見に出会えるはずです。
たちばなの丘公園
住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区仏向町1585-2
アクセス:相鉄本線「上星川駅」から徒歩約25分
TEL:045-353-51166
駐車場:なし