足を踏み入れれば、まるで別世界!横浜市唯一の渓谷「陣ケ下渓谷公園」|保土ケ谷区

横浜市で唯一の渓谷が、保土ケ谷区にあります。

保土ヶ谷区は横浜市のほぼ真ん中に位置していて、幹線道路が縦横に交わり他の地域へ伸びていることなどから「へそ」とも呼ばれ、交通の要になるエリアです。
横浜駅までは最も近い場所だと自転車で10分ほどで行けるため、そんな大都会で渓谷?しかも幹線道路がある場所に?とハテナが浮かんだのではないでしょうか。

今回は、そんな都会の中に自然が広がる陣ケ下渓谷公園をご紹介します。

知る人ぞ知る秘境

陣ケ下渓谷公園という地名の由来は、かつて源頼朝の家臣である和田義盛がこの近辺に狩のための陣を張ったことに由来していると言われています。

私自身は保土ヶ谷区在住歴が30年目になりますが、渓谷があると知ったのはここ数年です。
子どもが産まれてから、地元の公園や子連れスポットをよく調べるようになり、陣ケ下渓谷公園の存在を知りました。
地元の方でもご存じない、という方は少なくないのではないでしょうか。
そう、まさにそこは知る人ぞ知る秘境なのです!

まずは、こちらの画像をご覧ください。

こちらは環状2号線からの写真です。
この高架下にある公園内では…

こんなにも緑豊かな別世界が広がっているのです。まるで別世界ですよね。

駅からのアクセス方法

陣ケ下渓谷公園の最寄駅は相鉄線の上星川駅で、横浜駅からは相鉄線で10分ほどで到着します。上星川駅からは徒歩15分ほどの場所です。

本当にこんなところに渓谷があるのか?と疑いたくなるほど普通の住宅地です。
目印は、こちらのセブンイレブンと東川島水道みち公園です。

陣ケ下渓谷公園内に自動販売機などはないため、こちらのコンビニで飲み物などの買い物をおすすめします。
また、トイレもここから向かう公園の入り口とは反対側の【西原口駐車場】に一箇所のみなので、向かいの東川島水道みち公園でお手洗いを済ませておいた方がいいかもしれません。

少し進むと、陣ケ下渓谷ひろば公園が見えてきます。
手前には小さい子向けの遊具や砂場、奥には大きい子向けの遊具などが設置されており、その他にも広場や、夏にはちょっとした噴水が出るエリアもあります。
遊び足りない!というお子様にはこちらの公園もおすすめです。

そしてさらに道なりに進んで行くと、行き止まりかな?と思ってしまうほど細道になっていきますが、そのまま進んでください。

進めば進むほど増していく、ジャングル感

突然、姿を現した雑木林。ついに到着しました。
さっそく別世界の入り口へ、足を踏み入れてみましょう。

一面に緑が広がり、遊歩道や小川、そしてその上には幹線道路という自然と文明が融合した、なんとも不思議な光景に冒険心が高まります。

奥に進めば進むほど、ジャングル感が増していきます。

渓流おり口の看板が見えてきました。

このフェンスを開けて階段を降りると、すぐに渓流があります。

水の透明度は高く、ホタルも生息

他の方が映らぬよう撮影していますが、この日は他にも訪れている方たちがいました。
水かさもなく、小川なので危険ではないですが、少しでも雨が降ってしまうと足元が悪くなるので、前日も含め天気が良い日をおすすめします。

秋の訪れを感じさせる黄色く色づいたハート型の落ち葉が、流れていく様は風情がありました。一瞬、宙に浮いているように見えるほど、水の透明度はとても高いです。

それもそのはず、ここにはなんとホタルも生息しているのです。

「川の中にたくさんのホタルの赤ちゃんがいます。ホタルを守るため、この先には行かないでください。」と注意書きの看板がありました。

ホタルの生息条件はいくつかありますが、街灯の届かない静かでキレイな水辺を好みます。
天然のホタルが生息できる環境は年々減少していると聞いたことがあり、陣ケ下渓谷公園ではホタルがしっかり守られて、貴重な生息地になっているのだなと思いました。

「ふるさとの坂道三十選」に選ばれた『みずのさかみち』

今回は下流口からのご案内でしたが、陣ケ下渓谷公園には複数の入り口があります。
その中の1つに「みずのさかみち口」という入り口があり、そこには「みずのさかみち」という階段があります。坂の途中に水道管が埋設されていることから、そのように名づけられたそうです。

こちらは建設大臣書(現在の国土交通省)で、ふるさとの坂道三十選にも選ばれています。

木のアーチから差し込む木漏れ日がとても素敵で、またどこか懐かしい心地になりました。なぜだろう…自然を感じた人間の本能なのでしょうか。

木漏れ日だけではありません。虫の音や、風に揺られ奏でる木々の音、普段聞き慣れない鳥の鳴き声、気持ちのいいそよ風。ここへ来ると五感が研ぎ澄まされる感覚がします。

都会の喧騒に少し疲れた方や、ちょっぴりスリリングなウォーキングをしたい方、バードウォッチングや生き物観察、ピクニックがてらお子様を連れて自然に触れ合ったりと、とにかくおすすめな魅力満載のスポットです。

ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか♪

陣ケ下渓谷公園
住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区川島町797
アクセス:相鉄線「上星川駅」から徒歩約15分
相鉄線「和田町駅」からバス「西原住宅入口」下車
TEL:045-353-1166(みどり環境局公園緑地部北部公園緑地事務所)
駐車場:あり(20台・有料)[お問い合わせ先:公益財団法人 横浜市緑の協会(TEL:045-228-9431)]

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。