今回紹介するのは、横浜駅東口から歩いて約7分のところにあるイタリアンレストラン「ガストロノミア ヘリテージ ヨコハマ」です。
普段使いというより、“ちょっと特別なときに行きたくなるお店”です。イタリアと日本全国から取り寄せた旬の材料で提供される、本格イタリアンを楽しめます。
この日は、平日の昼間に子どもを一時保育に預けて、久しぶりに夫婦でランチに出かけてきました。

黒い外壁にオレンジ色がのぞく、おしゃれな雰囲気
大きなガラス扉の向こうには、あたたかい光がふんわりと広がっています。外に出ていた手書きの黒板メニューには、パスタやメイン、デザート。今日のランチがどんな流れになるのか期待が高まります。

店内に入ると、オレンジの壁と本棚、木の家具、タイルの床がお出迎え。席の間隔もゆったり。ほかのお客さんの声が気にならず、リラックスできます。
案内された席は窓側。差し込む光がちょうどよく、メニューを開く手も自然とゆっくりになります。

まわりには家族連れや老夫婦もいて、それぞれが自分たちの時間を楽しんでいる様子が印象的でした。
壁にはイタリアをはじめとした、ヨーロッパの古いポスターやレコードジャケットが飾られていて、どこかレトロな香りも感じられます。
ワインでしっぽり
お昼から飲むイタリアのビール。ちょっとした背徳感も込みで、最高の一杯です。妻は、柑橘系のカクテルを一杯目に選びました。二杯目は赤ワインでしっぽり。

「この赤ワイン、メインとめちゃくちゃ合うね」と、グラスを傾けながらのんびり会話をしていると、まるで休日の午後のような感覚になりました。
日本の旬の食材と本格イタリアンのランチ
ランチコースは「前菜盛り合わせ+パスタ+メイン+デザート」で奮発。最初に出てきたのは、前菜の6種盛り。

小皿に並ぶスープ、生ハム、キッシュ、カツオのたたき、マリネ、野菜のタルトでした。それぞれに食感や味わいが違っていて、一口ごとに笑みがこぼれます。
妻と相談して二種類のパスタを頼みました。それぞれシェアできるようにサーブしてくれます。少しずつ色々楽しめるのはうれしいですよね。菜の花とレモンのスパゲッティは、菜の花の風味が心地よく、ほんのりレモンの爽やかさを感じるやさしい味でした。

もう一皿は、アニョロッティというラビオリのような、リコッタチーズ入りの詰め物パスタです。きのこソースがたっぷりかかった一品。なめらかでコクがあるけれど、重たくなくて、思わず「もう一皿いけそう」と思ってしまうほどです。
私が選んだメインは肉料理。

運ばれてきたローストポークは、目の前に置かれた瞬間、香ばしい香りがふわっと広がりました。外はカリッと焼かれていて、中はしっとりジューシー。マスタード粒が効いたソースが、肉の甘みを引き立ててくれます。
添えられた芽キャベツやズッキーニのグリルもそれぞれ焼き加減が違っていて、「これ、家では絶対にできないね」と、ふたりで納得の一皿です。
妻が選んだのは車海老と尾鷲産のヒラメのローストです。彼女は「赤ワインじゃなくて、白ワインだったね。」と笑いながら平らげていました。
デザートとカプチーノで、日常に戻る準備
最後はデザートとカプチーノ。最後まで気分よく過ごせます。
コーヒーを飲みながら、「もうちょっとだけ、ゆっくりしていこうか」と話しつつ、ふと時計を見る。あと1時間でお迎えの時間。ちょっとだけ現実が戻ってきます。
店を出てから、商店街を歩きながら、「ああ、今日はちゃんと休めた」と感じたのは久しぶりかもしれません。

夜になって子どもが寝たあと、キッチンで食洗器にお皿を入れながら、「いつぶりだっけ」とぽつりと妻が言いました。たった数時間でも、こんなに気持ちが切り替わるなら、また贅沢ランチしようねと思いました。
数日経ったあとも、この時のランチのことを思い出してしまいます。いつもより早く子どもが寝た夜、スマホを見ていたらふと、あの菜の花の風味や、窓際のあたたかい光の入り方、ワインの香りが蘇りました。
「また行きたいね」ではなく、「また、ああいう時間を過ごしたいね」そう思える体験があると、日々に小さな光が差すようです。
子どもが大人しくイタリアンを楽しめるようになる頃はいつでしょうか。「ヘリテージにディナーに行けるようになるのは何年後かなぁ」と、彼の成長を楽しみにしつつ、当面はこんなランチを年に何回かできたらいいなぁと思っています。

ガストロノミア ヘリテージ ヨコハマ
住所:神奈川県横浜市西区平沼1-37-15
モンテベルデ第2横浜102
アクセス:JR「横浜駅東口」から徒歩約7分
TEL:045-624-9443
営業時間:
[ランチ]11:30-15:00(L.O 13:30)
[ディナー]18:00-22:00(L.O 20:30)