国道1号線の喧騒から一歩足を踏み入れた場所に、静かに佇むカフェがあります。その名も「NAGICOFFEE(ナギコーヒー)」。
香り高いサイフォンコーヒーと、野菜の旨味がぎゅっと詰まったサンドウィッチが評判のこの店は、訪れる人々を温かく迎え入れる、まさに“地元民の憩いの場”と呼ぶにふさわしい空間です。
来年で開店10周年を迎えるナギコーヒーは、朝7時30分からオープンしており、モーニングから午後のティータイムまで、さまざまなシーンで利用できます。
お店の名前である「ナギ」には、店主の中村さんの深い想いが込められています。それは、「波の無い穏やかな気持ちになれる喫茶店にしたい」という願いから名付けられたとのこと。
店に足を踏み入れた瞬間から感じる、心地よい静けさと安らぎは、まさにその思いが形になった空間と言えるでしょう。
嗅覚を刺激するサイフォンコーヒーの誘惑

ナギコーヒーの扉を開けると、店内に入ると目に飛び込んでくるのは、まるで理科の
実験器具のように美しいサイフォンが並ぶカウンター。
注文が入るたびに、店主中村さんが一杯一杯丁寧にサイフォンで抽出する様子は、まるでサイエンスショーを観ているかのよう。
湯が沸騰し、コーヒー粉の層をゆっくりと通り抜けていく過程は、見ているだけでも心が落ち着きます。
今回、私が注文したのは店名を冠した「ナギブレンド」。ブラジル、コロンビア、インドネシア、グアテマラの豆をブレンドしたこのコーヒーは、「最上級の無個性」を追求した一杯だと中村さんは語ります。
「個性は飲む方が出すもので、コーヒーが出すものではないんです。飲む人に寄り添えるコーヒーにしたかった」という言葉が非常に印象的でした。
その言葉通り、一口飲めば、深みのある苦味の中に、ほのかな甘みが感じられ、時間とともに口の中に広がる香りの変化も楽しめます。体調や気分に合わせてそっと寄り添ってくれるような、優しさに満ちたコーヒーでした。

サイフォン抽出にこだわる理由を尋ねると、「大量の豆を使うのでコストパフォーマンスは悪いけれど、抽出時間はわずか1分ほどと短いため、ドリップに比べてクリアな苦みが楽しめます。雑味が出ないのが特徴」と中村さん。
そうしたサイフォンの特徴を生かし、「飲む人の日常にフィットするコーヒーを入れたい」という中村さんの想いが、この一杯には込められています。

身体が喜ぶ、彩り豊かな野菜サンドウィッチ
コーヒーとともにぜひ味わっていただきたいのが、サンドウィッチです。ショーケースに並んだサンドウィッチは、瑞々しに野菜がぎっしりと詰まっており、その彩りの豊かさにも食欲をそそられます。

シャキシャキとしたレタス、甘みの強いトマト、風味豊かなアボカドなど、一つ一つの野菜が主役級の存在感を放ちます。
ハーフサイズでも十分な食べ応えがあり、軽食としてはもちろん、ランチにもぴったりです。
以前訪れた際も、サンドウィッチは飛ぶように売れていて、私が帰る頃には売り切れていたほどです。その人気ぶりが、おいしさの証と言えるでしょう。
テイクアウトしたサンドウィッチも、改めてそのおいしさに感動しました。野菜の新鮮さはもちろんのこと、特に印象的だったのはそのシャキッとした食感。
中村さんに伺うと、横浜市や湘南地区といった神奈川県産の野菜にこだわっているとのこと。
さらに、朝の仕込みの際に水通しをするなど、丁寧に下処理を施すことで、この絶妙なシャキッとした触感を保っているのだそうです。
時間が止まる、アンティーク調の落ち着いた空間
ナギコーヒーの魅力は、コーヒーとサンドウィッチだけではありません。
店内に一歩足を踏み入れると、そこにはノスタルジックな雰囲気が広がっています。

使い込まれた木のテーブルや椅子、温かみのある照明、そして壁に飾られたアンティーク調の小物たちは、まるで時が止まったかのような落ち着いた空間を演出しています。
一つ一つの調度品に物語があるかのような雰囲気は、まるで誰かの書斎に招かれたかのよう。
一人で読書に耽るもよし、友人との語らいの場にするもよし、思い思いの時間を過ごすことができます。都会の喧騒を忘れ、ゆったりと流れる時間の中で、心ゆくまでリラックスできるでしょう。
中村さんの情熱
ナギコーヒーの魅力の根源には、店主の中村さんの揺るぎない情熱があります。
週末は夜中の2時から、平日でも朝の4時頃から焙煎やサンドウィッチの仕込みを始めるという中村さん。
「週末は忙しくなるので、2時くらいから仕込みをしないと回らないんです」と語るその言葉からは、訪れるお客さんへの妥協なき思いが伝わってきます。
この献身的な姿勢こそが、ナギコーヒーの高品質な味わいと居心地の良い空間を支えているのだと感じました。中村さんの情熱は、お店を訪れる一人ひとりのため、惜しみなく注がれているのです。

反町の街に溶け込む、ナギコーヒーの存在
ナギコーヒーは、反町の街に根ざし、地域の人々に愛され続けています。日常の中に溶け込みながらも、訪れるたびに新たな発見と感動を与えてくれる、そんな存在です。

香り高いサイフォンコーヒー、素材の味を活かした野菜サンドウィッチ、そして心安らぐアンティーク調の調度品に囲まれた空間。これらすべてが融合し、ナギコーヒーならではの唯一無二の体験を提供しています。
今回は、「ナギコーヒー」を注文してお話を伺いました。
最後に、「次回はモーニングを味わいに来ます」と約束をして店を後にしました。
コーヒーやサンドウィッチへの深いこだわりから、モーニングにも中村さんの想いがたっぷりと詰まっているに違いありません。
忙しい日々の中で、ふと立ち止まりたくなった時、ナギコーヒーの扉を開いてみてはいかがでしょうか。香り豊かなコーヒーとおいしい食事、そして穏やかな時間が、あなたの心を温かく満たしてくれるはずです。
反町の隠れた名店「ナギコーヒー」で、あなただけの特別な時間を見つけてみてください。
NAGICOFFEE(ナギコーヒー)
住所:神奈川県横浜市神奈川区松本町3丁目22-8ロイヤルドレイク103
アクセス:東急東横線 「反町駅」から徒歩約5分
横浜市営地下鉄ブルーライン 「三ツ沢下町」から徒歩 約7分
TEL:045-548-9175
営業時間:7:30-17:00
定休日:火曜日、第1・3・5水曜日
駐車場:なし(近隣にコインパーキングあり)