横浜市中区日本大通りには、歴史的な建築物が点在しています。その中でも圧倒的な存在感を放つのが、国の重要文化財「神奈川県庁」です。
実はこちらの神奈川県庁、内部の見学ができることをご存知ですか?観覧料金は無料、事前予約も必要ありません。
平日午前8時30分〜午後5時15分まで一般に開放されており、庁舎1階ロビー、6階歴史展示室と屋上、東庁舎11階屋上庭園部分を見学することができます。
横浜散策のついでにふらりと立ち寄りたくなる、神奈川県庁の見どころを紹介しましょう!
1867年竣工の1代目県庁舎から今日まで。県庁舎の歴史をご紹介

快晴のとある日。みなとみらい線・日本大通り駅の県庁口出口を出るとすぐに到着しました。
まず目に飛び込んできたのは、重厚感のあるそのたたずまい。シンメトリーな美しい和洋折衷の建築に目を奪われました。
外観は、当時流行したアール・デコ様式。粗面タイルと呼ばれる表面に溝がある特殊なタイルが使用された壁面や、独自の幾何学模様の装飾が特徴です。
現在の庁舎は4代目のもの。青空との見事なコントラストに、思わず息を呑みました。

初代県庁舎として使われたのは、大政奉還が行われた慶応3年(1867年)に建てられた神奈川奉行所の横浜役所でした。しかし1882年12月22日の失火により焼失。
2代目庁舎として、横浜税関の建物を譲り受けることになります。
写真からもわかるように、3階中央部分には洋館ならではのバルコニーが。居留地建築を数多く手がけたアメリカ人建築家によって設計されました。

2代目庁舎が手狭になったため、1913年に3代目庁舎が建築されました。しかし竣工からわずか10年後の1923年、関東大震災による火災で消失。
その後県政は、現存する4代目庁舎へ引き継がれることとなります。
訪れる人を魅了する、当時のこだわりがつまった装飾

ではさっそく、本庁舎へ入庁です。入口の木製看板がその歴史の長さを感じさせます。入場ゲートが設置されているため、入口でQRコードを発行してもらいました。

入庁するとすぐに、美しい大理石の床のロビーが出迎えてくれました。レトロな雰囲気の中にも、荘厳さを感じます。

階段脇に設置された装飾灯には、極楽に咲くといわれている花「宝相華」があしらわれていました。アンティークな雰囲気がなんともステキです。
宝相華のモチーフは、本庁舎内部の各種装飾に使用されています。
長きにわたる県庁の歴史を知ることができる展示コーナー

展示コーナーのある6階へ向かいます。エレベーターをおりると正面には、これまた年季の入った木の階段がありました。県庁のシンボルとも言える塔屋へ登る階段です。

その脇に、展示コーナーがあります。

横書きの案内板にご注目。最近ではなかなかお目にかからない「釦(ボタン)」の漢字を見つけました。

竣工当時の写真(1928年)と最近の外観(2009年)を比較すると、ほとんど変わっていません。
2026年10月に、県庁は創建98周年を迎えるそうですが、建物は今なお、古き良き港町の雰囲気が残る日本大通りに見事に融合しています。

県庁では定期的に、正庁、旧貴賓室、知事執務室を公開しています。公開日はホームページに記載されているので、事前に調べて訪れてみるのも良いですね。

神奈川県庁を描いた浮世絵です。描かれている人々の服装、西洋風の建物などから、当時の異国情緒にあふれた町並みを知ることができます。
こんなところに絶景が!港町横浜を360度見渡せる屋上

展示コーナーを見終えた後は屋上へ。屋上はとても広く、シンボルの塔部分をぐるりと囲む造りになっています。

普段は下から見上げている横浜市開港記念会館を上から眺め、ちょっぴり優越感にひたることができました。

港町の景色を360度満喫できるとは、なんとも贅沢です。
今後の展開が楽しみ。東庁舎屋上の「ともいきファーム」

最後に東庁舎の屋上へ。こちらは新しい庁舎なので、本庁舎とは違いとても現代的な造りです。展望テラスは11階にあります。

東庁舎の屋上はそれほど広くはありませんが、景色の良さは言うまでもありません。

現在、東庁舎の屋上には、共生型コミュニティ農園「ともいきファーム」というアクアポニックスの設備が設置されています。
魚の排泄物を微生物が分解し、その栄養で野菜が育ち、浄化された水が再び魚へと戻るという自然界の循環を小さく再現したものです。
私が訪れたのは真夏日。テラスはとても暑かったのですが、元気に泳ぐ魚たちと、生き生きと育つ植物の緑、そして少しずつ流れ落ちる水の音に、小さな涼を感じることができました。
これまで何気なく眺めていた神奈川県庁。今回の見学を通して、これまで県庁が歩んできた長い歴史を初めて知りました。
たくさんの発見があること間違いなし。お近くへお出かけの際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
神奈川県庁
住所:神奈川県横浜市中区日本大通り1
アクセス:京浜東北線、根岸線/横浜市営地下鉄「関内駅」から徒歩約10分
みなとみらい線「日本大通り駅」県庁口出口からすぐ
横浜市営バス26系統「横浜駅前」→「横浜税関前」バス停から徒歩約2分
横浜市営バス8系統「横浜駅前」→「本町1丁目」又は「日本大通り駅県庁前」バス停から徒歩約2分
横浜市営バス58、21、158系統「桜木町駅前」→「本町1丁目」又は「日本大通り駅県庁前」バス停から徒歩約2分
神奈中バス11系統「桜木町駅前」→「本町1丁目」又は「日本大通り駅県庁前」バス停から徒歩約2分
TEL:045-210-1111(代表)
見学可能時間:8:30-17:15
閉庁日:祝日、休日及び12月29日から1月3日
駐車場:なし


















